商標登録は、なぜ企業にとって重要なのでしょうか。
ブランドを構築することは、企業が適正価格を維持し、不毛な価格競争を避けるための効果的な手段です。そして、企業のブランド価値は、主に商品名・サービス名・社名に蓄積された信用によって高まります。言い換えれば、ブランド価値は商標に宿るのです。
このブランド価値を守る唯一の方法が「商標登録」です。商標登録によって、ブランドを独占・排他的に使用できる商標権を取得することで、自社のブランドを保護できます。日本の商標制度は「先願主義」であるため、模倣者に先に出願されるとそのブランドが使えなくなってしまいます。商標権は約12万円の費用で取得可能で、コストパフォーマンスの良いリスク回避手段としての「保険」と言えるでしょう。
また、商標には特許や意匠のような「新規性要件」がないため、既に公知の商標であっても無登録の状態だと、他人が先に登録してしまうリスクがあります。万が一そうなると、商標の使用停止や高額な買い取りを迫られるリスクからは逃れられなくなります。
商標法には「先使用権」という救済措置もありますが、この権利があっても、商標権者である模倣者に対して使用差止めを求めることはできません。商標権は、他者に与えたくない最強の知的財産権なのです。
このように、商標登録は企業にとって非常に重要です。大切なブランドが模倣者に合法的に取られてしまう前に、商品名・サービス名・社名を早期に商標登録することを強くお勧めします。