中小企業を支える商標戦略
5.地域団体商標制度の活用
非常に賢明な地域ブランド戦略です。
非常に賢明な地域ブランド戦略です。
商標戦略の締めくくりに、地域団体商標制度についてご説明します。
北海道の中小企業団体の皆様にぜひもっと活用していただきたい商標戦略です。
地域の特産品の名称には、「地名プラス普通名称」という構成がよく用いられます。
例えば、札幌ラーメン、夕張メロン、登別温泉などです。
しかし、このような名称については、商標登録は原則として認められません。
商標法は、このような名称はその地域の誰もが使えるようにする必要があり、
特定の誰かがその名称を独占的に使用することは適切でないと考えるからです。
しかし商標法は、地域経済活性化の観点から例外規定を設けています。
すなわち、事業協同組合、商工会議所、商工会又はNPO法人が出願人となり、
その構成員に使用させる場合には、地名プラス普通名称の商標登録が認められるのです。
その代わり、その商標は一定の地理的範囲での周知性が求められます。
その地方の隣接県程度の消費者にも広く認識されていることが、その判断基準です。
以上が、地域団体商標制度の概要です。商標法第7条の2に規定されています。
地域団体商標登録のメリットは、特産品のブランド力が向上し販路拡大できることです。
また、他の地域の類似ブランドを商標権の効力で排除することができますし、
排除せずにブランドの使用を許諾すれば、ライセンス収入を得ることも可能です。
その結果、地域経済が半永久的に潤うのです。
したがって、地域団体商標制度の活用は、非常に賢明な地域ブランド戦略なのです。